インビザライン・コンプリヘンシブ(旧名称:インビザラインフル)は、すべての歯を動かせるパッケージプラン。作成できるアライナーの枚数に制限がないのが特徴です。治療過程でアライナーを作り直すこともできるので、理想の歯並びを追求できるでしょう。
インビザライン・コンプリヘンシブはすべての歯を動かせるため、様々な症例に対応できます。主に次のような歯並びを矯正することが可能です(※歯並び、歯の生え方、歯の大きさ、歯を動かせる隙間、骨格などによっては、ほかの矯正治療を組み合わせるケースもあります)。
インビザライン・コンプリヘンシブならではの特徴は、奥歯(大臼歯)を動かして噛み合わせを整えたり、突出した前歯や八重歯を後ろに下げたりできること。歯を動かす隙間がない場合は、小臼歯を抜歯してスペースをつくり、そのすき間を埋めるように歯をひとつずつ移動させます。
インビザライン・コンプリヘンシブのメリットは、動かせる歯と作成できるアライナー枚数の制限がないことです。前歯を動かすパッケージプラン(インビザライン・GO)と比べると相場は高め(2倍~3倍)ですが、難症例にも対応しており、治療途中に何度アライナーを作り直しても追加料金がかかりません。
制限がないぶん、ほかのパッケージプランに比べて費用が高めです。ほかのパッケージプランでは対応できない難症例で、治療期間が長くなる場合はインビザライン・コンプリヘンシブを選んだほうが良いでしょう。短期間で矯正できる症例(軽度~中度)の場合は、ほかのパッケージプランで安く早く済ませられる可能性があるので要チェックです。
小臼歯を抜歯して歯を動かすスペースを確保する場合に注意が必要です。インビザライン治療はアライナー(透明なマウスピース)を装着するため、マウスピースに押された歯が空いたスペースに倒れやすい傾向があります。一度歯が倒れて失敗してしまうと、治療計画を立て直したり、ワイヤー矯正を併用したりする必要があるため、治療期間が長くなってしまいます。抜歯をする際は歯科医師とよく相談して、ほかに選択肢がないか確認したうえで、綿密な治療計画を立てましょう。
インビザライン・コンプリヘンシブは、治療開始から5年以内でしたらアライナー作成枚数の制限がありません。症例によって治療期間は大きく異なりますが、長くても5年以内に完了すると考えて良いでしょう。
ちなみに、アライナーの装着時間の目安は1日20時間です。軽度の症例でも装着時間を守らないと、その分期間が延びたり、いちからやり直しになったりするので、しっかり時間を守るようにしましょう。
1枚のマウスピース装着につき、歯を動かせる範囲は0.25ミリほど。「痛い」というよりも、「歯が締めつけられる」ような感覚です。金属装置が歯茎にひっかかってしまうワイヤー矯正に比べると痛みはほとんどありません。
ただし、装着時間の目安を守らずに次のアライナーへ移行すると痛みを感じることがあります。歯が予定通りに動いておらず、治療計画を立て直す必要があるかもしれないため、痛みを感じたときは一度クリニックへ相談してみてください。
当メディアで紹介しているインビザライン治療院のうち、インビザライン・コンプリヘンシブの料金を確認できたクリニックは以下になります(2021年12月時点)。
自由診療のため、各クリニックによって差異が大きくなります。川崎市内にあるインビザライン治療院の料金情報を調査したところ、インビザライン・コンプリヘンシブの料金相場は660,000円~1,210,000円(税込)でした(※2021年12月時点の調査情報)。治療代のみを記載しているクリニックもあれば、検査・診断料、調整料、保定装置代などを含む金額を明示しているクリニックもあるため、一概に公式サイトに掲載されている金額だけを見て安い・高いの判断はできません。
治療前の検査・型取りを行う際の医療設備、クリニックの立地、医師の資格・経験等もクリニックによって異なります。すべての情報を踏まえたうえで、相場よりも安すぎない・高すぎないか、納得できる金額かを判断しましょう。